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熊本の立田山緑地公園に公共トイレを計画した。計画地である都市郊外の緑地公園が位置する立田山は、戦中戦後には急場の埋葬地として機能した場所である。複雑な過去を顧みるほど、この建築を施設としての機能だけでなく、鎮魂や慰霊のための空間として設える必要があることは自明だった。ハの字状の建物配置、高く持ち上げられた屋根、独立する壁、揺らめくテクスチャ、広場に開かれた洗場。鎮魂の断片が集まり土地に根を張る。大きな数字を解体し、小さな数字を取りまとめる浮動小数点のように。

|制作| adamayebiro+RintaroOgiwara+TetsuyaOkuno